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からだの素№86

体育会系だったパパご用心!

 昨年著名人の間で中興した「アイス・バケツ・チャレンジ」だが、実は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究支援として世界中に広がったものです。日本ハムの監督を務めた土橋正幸氏が筋萎縮性側索硬化症でお亡くなりになられたのは記憶に新しいですね。


 筋萎縮性側索硬化症とは神経難病の横綱とも言える病気で、手足の筋肉が徐々に萎縮して体の自由が利かなくなるだけでなく、
自分で呼吸をすることも困難となります。人工呼吸器を装着して延命する道を選ばなければ発症してから3年から5年で
亡くなり、症状の進行をくい止める有効な治療法は残念ながらありません。昔ヤンキースで活躍したMLB名選手ルー・ゲーリックが
この病気で、アメリカではルー・ゲーリック病とも呼ばれています。

 この病気の原因はまだ解明されていませんが、以前からスポーツ選手に多いと言われていました。運動を過度に行うことによって
過剰に取り込んだ酸素が神経系に有害に働くという説があります。運動は体に良いというのが一般的な常識ですがやりすぎには注意が
必要です。
 筋萎縮性側索硬化症研究で有名なイタリアの神経学者チオが、イタリアのプロサッカー選手7325名を調査し、伊パン人と比較して
筋萎縮性側索硬化症の発症頻度が6.5倍多いことを報告し、話題を呼びました。

 2012年のアメリカ神経学会誌に報告されたプロアメリカンフットボール選手3429名の調査でもやはり筋萎縮性側索硬化症の発症が
4.3倍と増加していました。

 1年間に人口10万人当たり1~2人程度が発症しており、好発年齢は40代~60代で、男性が女性の2倍ほどを占めるということです。体の動きは、筋肉の収縮とその反復として起こす弛緩作用の反復によっています。アクチンとミオシンというたんぱく質がすべり合わさって筋肉が収縮しますが、そのときなくてはならないのがカルシウムなのです。カルシウムが足りないと筋肉の収縮が不規則になります。

 今年一年、元気に生活していくためには体育会系パパもカルシウム考えてみてはいかがでしょうか。

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