朝食の重要性|からだ環境総研


 
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からだの素№107

『朝食の重要性』

 

独立行政法人日本スポーツ振興センターでは、子どもたちの生活習慣調査を行っています。
朝食の欠食により、いらいらする、体がだるい、集中力がない、飽きっぽい、じっとすわっていられない、生あくびが出るなどの子どもが増えています。

 

さらにはっきりした疾患がないのにただ漠然と気分が悪いという訴え、いわゆる不定愁訴が見られます。これにより「機嫌が悪い」「怒りっぽくなる」など「キレる」子供の原因の一部にもなっているのではないかと心配されています。

また、朝食を食べない子どもの調査では食欲がない、食べる時間がないの理由が圧倒的に多く起床時間との関係が浮き彫りになってきました。

 

現在、日本の子ども達は何時に起きているのでしょう?

食欲が湧かない、食べる時間がないと答えた子の大半が7:30前後に起きる子どもでした。

≪朝食の効果≫
1.朝食により、1日のリズムをつくる。
朝、太陽が昇ると目が覚め、顔を洗い、朝食をとり、出かける。昼になると昼食をとり、1日を終え、夕方帰宅し、夕食をとり、くつろいで寝るという1日の生活のリズム( 日周リズム )があります。大脳の視床下部に生物時計があり、刻々と時を刻んでいるのです。朝食は1日の活動を始める当たり、リズムを作り出すのにぜひとも必要なものです。朝食を抜くと、このリズムが崩れてきます。リズムの崩れはやがて体調の崩れにつながり、健康を損ねてしまうのです。

 

2.丈夫な体をつくるために朝食は欠かせない。
成長期にある子どもは体が小さくとも、たくさんの栄養素を必要とします。1日の活動のためと体をつくるために必要なのです。朝食を抜き、昼食と夕食をとっても、栄養所要量(1日に必要な栄養素量)を満たすことはできません。

 

3.朝食は脳のエネルギーを補給する。
脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源にしています。しかも脳はブドウ糖を大量に消費します。不思議なことに、寝ているときも起きているときも脳のブドウ糖の消費量は同じで、その量は1時間当たり5g消費します。夕食でとったブドウ糖は肝臓でグリコーゲンとして蓄えられますが、その量には限界があり、60gしか蓄えられません。すると60/5=12時間ということになり、たった一晩でせっかく蓄えた脳のエネルギーはかなり減った状態になってしまうのです。目が覚めた時には脳のエネルギーは不足しています。そこで朝食により脳のエネルギーであるブドウ糖の補給をする必要が生じてくるのです。
朝食を抜くと、血液中のブドウ糖が不足、いわゆる低血糖の状態に陥っています。これは体にとっては一種のストレス状態なのです。いらいらはもちろん、頭を働かせるエネルギーがありませんので、勉強や仕事に身が入らない、集中力がないなどが起こっても当たり前のことです。朝食は脳に影響を与えることが証明されています。脳を燃料不足にしないためにも朝食は必要なのです。

 

4.朝食は体温を上昇させる。
食事をとると体が温まります。とった栄養素が代謝されるのに熱を発生するからです。体温の上昇とともに脳の温度もわずかに上昇、脳のウォームアップができるのです。脳を活性化し、「やる気」を起こさせてくれます。脳を活発に働かせるためには朝食は欠かせないことです。

≪朝食を食べるだけで頭がよくなる!?≫

「朝食を食べるだけで頭がよくなる。」と言っても過言ではないでしょう。朝食を食べて学校へ行けばやる気も出てきて、落ち着いて授業に臨め 頭を働かせるエネルギーに満ちているので記憶にも残るでしょう。
2学期は、“早寝早起き朝ごはん”をより一層家庭に定着させましょう。

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