熱中症対策に「暑熱順化」|からだ環境総研


 
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からだの素68号

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熱ストレスに負けない「暑熱順化(しょねつじゅんか)」

 今年の熱中症対策として、すぐに始めたいのが暑さを体に慣らす「暑熱順化」です。
暑熱順化とは、暑さに体が適応した状態のこと。
 体が暑さに慣れると、血液循環が良くなり効率良く汗がかけるようになる。大汗をかいても適切な水分を補給すれば体液バランスがすぐに回復するので、熱中症になりにくくなるのです。暑熱順化とは、夏の暑さに耐えられる体になることで、「かつては誰でも梅雨の間の暑さにさられ順化していましたが、冷房のある環境で過ごす人が増えた今、熱中症にかかるリスクを下げるには積極的に順化するための対策が必要」と言われています。

 「暑熱順化すると、体温の上昇を察知して汗をかき始めるタイミングが早くなる。」と奈良女子大学生活環境学部の鷹股亮教授は話されました。順化した人は発汗後の水分補給で体液量を回復しやすいことも、明らかになっています。
運動すれば1週間程度で”順化”する。

 暑熱順化させるポイントは自力で汗をかく練習を積むこと。暑熱順化を促すお薦めの方法は次の3つです。(時々汗をかくことが重要なのですね)
手軽にできる暑熱順化の方法
①半身浴やサウナで汗をかく
②ウォーキングで汗をかく
③自転車をこいで汗をかく
 梅雨の間はシャワーで済まさず浴槽につかってしっかり汗をかきましょう。入浴と軽い運動を組み合わせて行えば、1週間程度でほぼ暑熱順化できます。半身浴やサウナで汗をかくだけでも効果はあります。しかし、じっとしているだけだと順化が完成するまで時間がかかるので、軽い運動を組み合わせて行うほうがいいでしょう。運動強度を上げるほど順化速度は速くなり、例えば10分のウォーキングを1日5回、休憩をはさんで行えば、早い人で4~5日、遅くとも1週間程度で暑さに慣れるでしょう。運動初日よりもバテ感が減ってきたら順化が進んだサインです。(途中で熱中症にならないよう、休憩と水分補給を十分行いながら涼しい時間帯に進めて下さい。)せっかく順化しても、運動をやめたり暑さに体をさらさない日が続くと効果は薄れてくるそうで、汗をかける環境を作り続けることが何より大切なようです。

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