弱った猫を保護しようとした女性が噛まれ、マダニが媒介する感染症を発症して亡くなった事件は公園の動物やペットと人との関係に激震を走らせました。マダニは、人間以外に犬や猫などの動物の血も吸うが、人間が動物を介してこの病気に感染し、死亡した例は世界で初めてだといいます。
この病気は、ウイルスを持つマダニに噛まれることから感染し、発熱や下痢、嘔吐のほか、重症化すると意識障害や失語、出血症状を引き起こす「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で、国内では2013年に最初の患者が報告されて以来、これまでに266人が感染し、うち57人が死亡。西日本地区に集中していることがわかりました。(西日本の図)今回も、昨年夏、西日本に住む50代の女性が衰弱した野良猫を保護しようとして噛まれ、その後、死亡。女性に持病などはなく、感染研が詳しく検査した結果、猫に噛まれたことで発症した可能性が高いことが判明しました。SFTSのウイルスを持つマダニは、民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道のほか、鹿やイノシシ、野うさぎなど野生動物が出没する環境に多く生息していると言われていましたが都会に住む猫や犬にも注意が必要になってきました。厚労省によると、日常的に屋内で飼育している猫や犬を介して感染することはほとんどなく、リスクが低いが、散歩などの際には、野生動物との接触を避け、ダニの駆除剤の投与や健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診することを推奨しています。
マダニQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html |