恐怖と興味のある偏食心理学|からだ環境総研


 
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からだの素№110

恐怖と興味のある”偏食心理学”

 

 特定なものしか口にしない偏食。身体を正常に動かすためにバランスの良い栄養摂取は大切なことは誰もがわかっていることでしょう。しかし、現実には 偏食で困っている人も多いようです。


私たちは草食動物や肉食動物と違い「雑食性動物」なので食の悩みが起きてしまいます。動物の生き残りを考えると、雑食性動物は、飢餓を脱し生存確率を高めることができる環境適応性に優れた生きものであるといえます。しかしその一方で、新たに見つけ出した食べものが毒性を持っていたり、栄養バランスが悪ければ、健康を損ね、最悪死に至る可能性もあります。そのため、雑食動物にとっては、新しい食べものを食べるときには必ずリスクと対峙しなければなりません。食べたことのないものを食べることに躊躇する「食物新規性恐怖」と積極的に食べようとする「食物新規性嗜好」という相矛盾する行動傾向を生まれながら持っているのです。これは、誕生6~7か月から始まる「人見知り」と同じ原理です。見知らぬ人や馴染みの少ない人への恐怖は、人類の進化で身に付いた自己防衛です。幼児が見知らぬ人に警戒心を示さなければ誘拐される可能性があります。人だけでなく、食にも同じようなことがあり、乳児は初めて食べるものへの拒食反応は強くあります。また、恐怖心の植え付け現象というのがあり、親や兄弟の食に関する反応を刷り込み式で受けてしまうケースも多いようです。ですので子どもは、食べ物を目にすると同時に、「恐怖と興味」の両方が存在することを忘れず、我々大人は「興味」として口に運んでくれるよう心掛けておきたいものです。

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