乳幼児は体温調節の仕組みができてからも、おとなに比べて充分な体温調節ができないことがあります。
しかし、人間が自分自身で熱をつくる能力は、生まれてから2週間ほどで決まってしまう説もあり幼い頃からある程度の温度変化に慣れさせることは必要です。
子どもは、体が小さい割には体表面積が大きく、皮下脂肪が少ないため熱を失いやすく、逆に体重あたりの食事の摂取量や運動量も多いため生み出す熱の量が多いなど体温調整が難しい時期です。
したがって、温度変化や衣服の着せ方などに、注意してあげる必要があります。
体温調節の仕組みは、「自律性体温調節反応」と「行動性体温調節反応」に分類されます。
自律性体温調節反応は、身体に養われる体温調整機能と考えてもよいでしょう。
体温を維持・調節するために、主に自律神経が支配する臓器や器官を主な効果器として行われる生理反応で、意識的に制御できない反応です。
自律性体温調節反応には、体内で熱の産生を行う反応と環境中への体熱の放散を調節する反応がある。
この機能は、3才までに備わってしまうと言われています。3才までは夏の暑さや冬の寒さを沢山経験させた方が自己調整機能が発達した身体になるでしょう。
行動性体温調節反応は、体温の維持・調節を目的とした、意識的な行動のことです。
例えば、「寒いのでコートを羽織る」、「暑いので冷房のスイッチを入れる」などの行動も含まれます。こうした行動には、暑さ・寒さを感じる情動が関係すると考えられています。
現代っ子は、「約40%の子が異常体温である」という指摘もあります。
異常体温とは、昼間の平均体温が36℃未満の「低体温群」と37℃以上の「高体温群」。とがあります。
体温異常が見られた子どもたちは自律性体温調節反応がうまく働いていないと考えられています。
異常体温は、生活習慣で起こるという説もあります。
・21時台以降の就寝。
・運動が1日1時間未満。
・便秘症・下痢症。
・水分摂取(炭酸飲料除く)が1日に8回以下。
上記の習慣を持っているお子さんは生活習慣の改善が必要ですね。
男女おいて行動性体温調節反応の違いが!
男・女において寒い・暑いを感じはじめる身体の部分に違いがあるのではないか?という研究があります。
男女それぞれ室内環境において“寒い~暑い”と室温調整を繰り返し身体どの部分(口内・全身・手・足・背中)にそれを感じるかというテストが行われました。
女性:口内・足・背中
男性:背中・足温
このような結果から、冬の場合 女の子は、温かい飲み物と背中や足元を温めるものを。男の子は、まず背中や足元を温めるものを。
夏、女の子であれば、冷たい飲み物と衣服を一枚脱がせる。男の子は、衣服を一枚脱がせてあげる。などしてあげると良いのではないでしょうか?
(寒くなると女性は自動販売機で温かいものを飲みたがるのが理解できました。) |