成長過程にある子どもの情緒不安定は、いくつになっても起こるものです。心身ともに大きく成長する小学生時期は、情緒不安な状態が起こりやすいと言われています。
新学年を前に、子どもの情緒不安定について考えてみました。
【情緒不安定へのきっかけ】
情緒不安定の引き金にはいくつかのきっかけがあります。その一部を紹介しましょう。
①環境の変化・・・・場所の変化やクラス編成や引っ越しなど生活の変化
②大きな学校行事・・入学式・運動会・文化祭など大きな行事前。
③友人関係・・・・・新たなクラスメートや友達の好き嫌いなど
④家庭内問題・・・・両親の変化や兄弟の変化など
【情緒不安定の主な症状】
①感情面での変化
・イライラや怒りっぽくなったり泣いてばかりいたり暴言を吐いたり普段の笑顔が見られない。
②体調面での変化
・下痢や腹痛、便秘を繰り返したり、めまいや急なおねしょなども
③行動面での変化
・朝起きれない、部屋にじっとしている、食欲がない、外出を嫌うなど
【対処法】
①環境変化が起こる前から子どもとの会話を増やす。
・「おはよう」「お帰りなさい」など家庭内挨拶を増やしその返事を元に心理変化を察知できるようにする。
②一緒にいる時間を増やす。
・買い物やテレビ、食事など一緒に過ごす機会を増やしておく。
③親は感情的にならない。
・子どもの暴言や感情の起伏に、一時的なものと思い親が感情的にならない
④情緒不安定を責めない。
・急な感情の爆発や朝起きれない、学校に行きたくないなどの症状が現れたときも大きな目で見守りましょう。 責めると更に状況が悪化する場合があります。
【情緒不安定とセロトニンの関係】
情緒不安定の原因のひとつに、脳機能障害が指摘されています。
中でも脳の働きを司る神経伝達物質のうち、セロトニンとノルアドレナリンの2つが大きく影響していると考えられています。
セロトニンは、心身のさまざまな調整役を担っている代表的な神経伝達物質のひとつで、
ドーパミンやノルアドレナリンの働きを制御してバランスを整え、情緒を整える働きがあり、脳内バランスや健康にとって不可欠な物質です。
そのため、このセロトニンが不足すると、脳内の均衡やバランスを保つことができなくなります。
【情緒不安定になり前に】
情緒を安定させるには、カルシウムの摂取や体内のセロトニンを増やすことをおススメします。セロトニンは、太陽の光を浴び、ジョギングやウォーキングといった適度なリズム感のある運動を並行して行うことがポイントです。
【腸内環境と脳のセロトニンとの関係性とは?】
脳内のセロトニン供給に腸内環境がどう関係するのでしょうか?
セロトニンは、脳内機能の調整をはじめ、体温の調整や痛みの認知、食欲の制御や消化・吸収に至るまで、身体の多くの機能に関わっています。
多彩な役割を担っているセロトニンですが、実は、そのうちの90%は腸で作られ、腸に存在しています。そして、血液中の血小板に8%、脳には2%のセロトニンしか存在していません。
2013年には、腸内細菌と脳内セロトニンに着目した研究が、米国で発表され腸の健全さが脳にも影響することが発見されました。
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